お酒のおともに
お酒でも飲みながら見ていただければ幸いです。
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大越健介さんの講演会に行って来た。
大越健介さん?誰だろう?って思う人も多いと思う。
NHK「ニュースウォッチ9」で青山さんの横に座っている人だ。
昨年の3月からキャスターを務めている。
時に優しく、時に弁舌鋭い語り口に以前から好感をもっていたが、なんと弱小東大野球部で8勝(27敗)をあげている投手という肩書きを知ってますます興味が沸いたので話を聞きたいと思った。風邪をおしていったのだが、大越さんの明るくて誰の質問に対してもまじめに答える姿に人間的な魅力を感じ、率直に聞きにいって良かったと思った。
大越さんは駆け出しの政治記者だったころ、経世会の担当となる。
故橋本龍太郎氏への取材を続ける中で、次第に親密になっていき、村山富市首相の辞任・橋本首相の誕生を他局に先駆けてすっぱ抜く。若い記者が大物代議士などを取材する際、最初は名前すら覚えてもらえない。しかし、次第にNHKさん、NHKの大越さん、大越君と徐々に親密な関係になっていく。真剣さ、体当たりの取材に橋本氏も心を開いたのだろう。大越さんは取材相手には「まごころ」で接するという言い方をされていた。
大越さんは出身の新潟高校でも講演をされたそうだ。
最初は興味なく聞いていた高校生たちも、尖閣諸島問題などの時事問題などを聞いているうちに熱を帯び、質問も含めて1時間の講演が2時間を超えたそうだ。
「優秀な生徒が多いですね」と大越さんは感じたそうだ。しかしベテランの先生はそれを聞いて、「良いことばかりではない。それだけ今の高校生が厳しい時代に置かれているということだ」と言ったとのこと。
バブルを知る大越さんの世代、一方今の高校生はこの20年衰退し続け閉塞感の蔓延する日本で育ってきた世代である。それが切ないまでの真剣さに現れていると言っていた。
私は3年ほど前にカタールで仕事をしていたとき、カタール大学の教授に取材しに行ったことがある。
その方は60歳くらいだったろう。カタールは約40年前にイギリスの植民地から独立した。その後石油や天然ガスが発見され、今では一人あたりの所得は日本を超えている超リッチな国だ。
しかしその教授の小さい頃は昔ながらのアラビックハウスに住んで、漁業で生計を立てていた。その後徐々にお金持ちになっていく過程を身をもって体感している。教授によると40歳くらいのカタール人からは徐々に裕福な国になっていき、それが20歳になると生まれたときからお金持ち、苦労知らずでスポーツカーを乗り回していると言っていた。そういうことを思い出した。
同じ国で暮らしているが、世代によって社会の見え方が違うのだ。
日本だってそうだろう。今日講演会にたくさん来ていたお歴々は高度成長を体感してきた世代だ。そして大越さんのようにバブルを知る世代。そしてずっと停滞した日本を見て育った世代。
「坂の上の雲」のような明治時代や「龍馬伝」のような明治維新の時代の希望に燃えた立身出世譚や、「三丁目の夕日」のような高度成長期の話をされても、今の若者にはまったく別の国の話で、元気なぞ出やしないということだと思う。
政治、経済の閉塞感に輪をかけて、昨年は村木さんの件で検察の不祥事も明るみに出た。
若者が夢を持てる社会に、日本人皆がしなくてはならないと感じた。
また、政治・経済・検察の他にマスコミも課題を抱えていると言う話が最後にあった。
広島市の秋葉市長、小沢一郎氏、菅総理までもが既存メディアの取材を受けず、インターネットの動画サイトで意見を表明していることに、マスコミの一員として大きな課題を感じていると言っていた。
しかし名刺一つで多くの人と会い取材できる人間として、一定の精度を持ち、社会のありようを良くするために時には厳しい批判もしながら、報道をしていきたいともおっしゃっていた。
私も3年ほど前に「既存メディアの悲劇」というエントリーを書いたが、それからさらに時代は進み、既存メディアと新興メディアのありようも変化している。
先にでた3氏の動画サイトへの出演以外にも、昨年末には大桃美代子のツイッターにおけるつぶやきからスキャンダルが発覚した件もあった。スキャンダルをネタに商売してきた芸能レポーターの存在をゆるがせにする事態である。
従来編集権を持っていた既存メディアの力なぞ借りなくても、大衆に情報を伝える手段が多く出来てきたからこその事態であるが、この一連の出来事は既存メディアに身を置いている人からすれば戦々恐々とする事態だろうと思う。
芸能レポーターがなくなっても困りはしないが、多くの既存メディアの記者には一定の確度のある報道、見識をもった物の見方をこれからも提供してもらいたい、そう切に思った。
大越健介さん?誰だろう?って思う人も多いと思う。
NHK「ニュースウォッチ9」で青山さんの横に座っている人だ。
昨年の3月からキャスターを務めている。
時に優しく、時に弁舌鋭い語り口に以前から好感をもっていたが、なんと弱小東大野球部で8勝(27敗)をあげている投手という肩書きを知ってますます興味が沸いたので話を聞きたいと思った。風邪をおしていったのだが、大越さんの明るくて誰の質問に対してもまじめに答える姿に人間的な魅力を感じ、率直に聞きにいって良かったと思った。
大越さんは駆け出しの政治記者だったころ、経世会の担当となる。
故橋本龍太郎氏への取材を続ける中で、次第に親密になっていき、村山富市首相の辞任・橋本首相の誕生を他局に先駆けてすっぱ抜く。若い記者が大物代議士などを取材する際、最初は名前すら覚えてもらえない。しかし、次第にNHKさん、NHKの大越さん、大越君と徐々に親密な関係になっていく。真剣さ、体当たりの取材に橋本氏も心を開いたのだろう。大越さんは取材相手には「まごころ」で接するという言い方をされていた。
大越さんは出身の新潟高校でも講演をされたそうだ。
最初は興味なく聞いていた高校生たちも、尖閣諸島問題などの時事問題などを聞いているうちに熱を帯び、質問も含めて1時間の講演が2時間を超えたそうだ。
「優秀な生徒が多いですね」と大越さんは感じたそうだ。しかしベテランの先生はそれを聞いて、「良いことばかりではない。それだけ今の高校生が厳しい時代に置かれているということだ」と言ったとのこと。
バブルを知る大越さんの世代、一方今の高校生はこの20年衰退し続け閉塞感の蔓延する日本で育ってきた世代である。それが切ないまでの真剣さに現れていると言っていた。
私は3年ほど前にカタールで仕事をしていたとき、カタール大学の教授に取材しに行ったことがある。
その方は60歳くらいだったろう。カタールは約40年前にイギリスの植民地から独立した。その後石油や天然ガスが発見され、今では一人あたりの所得は日本を超えている超リッチな国だ。
しかしその教授の小さい頃は昔ながらのアラビックハウスに住んで、漁業で生計を立てていた。その後徐々にお金持ちになっていく過程を身をもって体感している。教授によると40歳くらいのカタール人からは徐々に裕福な国になっていき、それが20歳になると生まれたときからお金持ち、苦労知らずでスポーツカーを乗り回していると言っていた。そういうことを思い出した。
同じ国で暮らしているが、世代によって社会の見え方が違うのだ。
日本だってそうだろう。今日講演会にたくさん来ていたお歴々は高度成長を体感してきた世代だ。そして大越さんのようにバブルを知る世代。そしてずっと停滞した日本を見て育った世代。
「坂の上の雲」のような明治時代や「龍馬伝」のような明治維新の時代の希望に燃えた立身出世譚や、「三丁目の夕日」のような高度成長期の話をされても、今の若者にはまったく別の国の話で、元気なぞ出やしないということだと思う。
政治、経済の閉塞感に輪をかけて、昨年は村木さんの件で検察の不祥事も明るみに出た。
若者が夢を持てる社会に、日本人皆がしなくてはならないと感じた。
また、政治・経済・検察の他にマスコミも課題を抱えていると言う話が最後にあった。
広島市の秋葉市長、小沢一郎氏、菅総理までもが既存メディアの取材を受けず、インターネットの動画サイトで意見を表明していることに、マスコミの一員として大きな課題を感じていると言っていた。
しかし名刺一つで多くの人と会い取材できる人間として、一定の精度を持ち、社会のありようを良くするために時には厳しい批判もしながら、報道をしていきたいともおっしゃっていた。
私も3年ほど前に「既存メディアの悲劇」というエントリーを書いたが、それからさらに時代は進み、既存メディアと新興メディアのありようも変化している。
先にでた3氏の動画サイトへの出演以外にも、昨年末には大桃美代子のツイッターにおけるつぶやきからスキャンダルが発覚した件もあった。スキャンダルをネタに商売してきた芸能レポーターの存在をゆるがせにする事態である。
従来編集権を持っていた既存メディアの力なぞ借りなくても、大衆に情報を伝える手段が多く出来てきたからこその事態であるが、この一連の出来事は既存メディアに身を置いている人からすれば戦々恐々とする事態だろうと思う。
芸能レポーターがなくなっても困りはしないが、多くの既存メディアの記者には一定の確度のある報道、見識をもった物の見方をこれからも提供してもらいたい、そう切に思った。
- 2011-01-08
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